
ある日、引越しの荷物の中から、くまの子が現れた。どうやら、昔プレゼント用にと妻が作ったらしい。ホントは2匹いたのだけど、1匹はもらわれていったのだとか。
「どうしてこのコは、もらわれていかなかったのかな」
「そうね、無愛想だからかしらね」
確かに、ちょっとムスっとした表情をしていて、それにアタマのてっぺんが少しだけとがってたりもする。
「でもさ、もしかしたら、このコなりに、実は、にっこりと微笑みかけているのかもしれないよ」
「そうね、それぞれに、いろんなにっこりがあってもいいわよね」
もう一度、くまの子を見てみると、ムッスリとした表情が、なんだかとても可愛らしく思えたのでした。