2009年11月17日火曜日

缶の中で揺れる

 オレンジジュースの缶の口を覗くと、中に白っぽいものがゆらゆらと揺れていた。でも、ジュースを全部飲んでから、缶をひっくり返してみても何も出て来なかった。中を覗いてみても見えるのは、ほのかに光るつるりとした缶の底だけ。
 東北に向かう新幹線の中で、缶コーヒーの口を開けたとき、なぜかそんなことを思い出した。
 今思えば、ジュースの表面に飲み口の影が映っていただけだったのだけれど、子供の頃はそれがわからなかった。でもその分だけ、とても不思議なものを見つけたような気がした。自分だけが知っているとても不思議なもの。結局、誰にも話さないまま、いつの間にか忘れてしまっていた。
 もしかしたら、子供達は、自分だけの小さな不思議を、いくつも持っていたりするのかも。